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明日9月3日は大王製紙2020年9月17日償還のユーロ円CBの転換期限にあたる。
7月末時点で発行額の74.76%にあたる224.3億円が流通している。
昨日の株価の終値が1441円に対し、転換価格が1441.2円だ。
転換社債は株価が転換価格を上回れば転換がすすむ。
この水準で転換がすすむかどうかは判断できない。
このCBは発行時、株価が急落し親会社の北越紀州製紙がCBの差し止めと損害賠償請求をした経緯がある。
〇転換制限条項付きCBについて
転換社債の一部の銘柄には転換制限条項が設定されている。
転換制限条項付き転換社債とは、CBを株式に転換するためには、ある一定の条件を充たさないと予約権を行使できない仕組みになっている。
具体的には2つのタイプが存在する。
- 四半期最後の取引日に終了する20連続取引日の終値が転換価格の一定水準以上だった
- 場合に翌四半期に予約権を行使することが出来るタイプ。
- 四半期最後の取引日に終了する30連続取引日の内、20取引日の終値が転換価格の一定水準以上だった場合に翌四半期に予約権を行使することが出来るタイプ。
昨日9月1日が9月末で終わる四半期の20連続取引日の初日にあたる。
タイプ①の銘柄の内、3銘柄が最初の関門を通過することができた。
〇第一関門を通過できた銘柄
・ヤオコー(東証コード:8279)2024年6月償還債
転換価格:6,067.8円
転換制限条項設定価格:転換価格の130%超(7,889円以上)
発行額:150億円
残額:150億円
・FUJI(東証コード:6134)2021年3月償還債
転換価格:1,418.7円
転換制限条項設定価格:転換価格の130%超(1,845円以上)
発行額:100億円
残額:72.2億円
・テルモ(東証コード:4543)2021年12月償還債
転換価格:1,912.3円
転換制限条項設定価格:転換価格の130%超(2,486円以上)
発行額:500億円
残額:37.8億円
〇タイプ②
・エディオン(東証コード:2730)2021年10月償還債
転換価格:860.4円
転換制限条項設定価格:転換価格の130%超(1,119円以上)
発行額:150億円
残額:8億円
〇潜在株式数のインパクト
上記4銘柄の内、エディオンとFUJI、テルモについては転換に対応できる自己株式を保有している。
ヤオコーについては自己株式118.2万株に対し、潜在株式数は247.2万株だ。現時点でCBが全て転換された場合、発行済み株式数の3.2%にあたる129万株の新株が発行される。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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