トルコリラ急落、中銀の金利政策維持に失望


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トルコリラが史上最安値を更新。トルコ中央銀行は22日の政策決定会合で、政策金利を10.25%に据え置いた。市場は利上げを想定しており、金利維持は想定外だった。

 

〇外貨準備高減=円高

外貨準備高の減少は円高につながる。外貨準備高とトルコリラ円の相関係数(過去2年のデータ)は0.86という高い値が求められた。

現在、トルコ中央銀行はトルコリラ安を食い止めるため、ドル売り介入を実施している。

介入にともなう外貨準備高の減少はさらなる通貨安を導いている格好だ(図参照)。

 

〇通貨安を食い止めるには実質金利をプラスに

通貨安を食い止めるには、実質金利をプラスにする必要がある。現時点の実質金利(政策金利10.25%-インフレ率11.75%)はマイナス1.5%だ(図参照)。実質金利のマイナスは実質的な貨幣価値の低減を意味する。

この状態から抜け出すには政策金利を引き上げるか、それともインフレ率が低下すかのどちらかだ。

今回、政策金利が引き上げられなかったため、歪みが解消されなかった。

 

〇個人投資家を苦しめるリラ安

リラ安は日本の個人投資家を苦しめている。

高クーポンの香りに誘われた個人投資家は売出債の元本割れに苦しめられている。

来週の10月26日に償還を迎えるデンマーク地方金融公庫10.42%2020年10月26日債もそのひとつだ。

この銘柄は、2017年10月16日に発行価格99.97%で起債された。当時のリラ円は30円前後で推移していた。最低購入金額は1万リラ、円換算では30.62万だ。

クーポンは4月と10月の26日に5.21%支払われる。以下の表はこの債券のキャッシュフロー表だ。なお、償還日の為替水準を13.2円と仮定した。

(外債を購入するにあたり注意点があります。発行体の格付けはMDY,S&Pともに最上位のAAAです。

これはあくまで現地通貨の話で、円換算の元本に関するものではありません。)

 

  キャシュフロー(リラ) リラ円 円換算
2017年10月16日 -9,997.0 ¥30.63 ¥-306,233
2018年4月26日 521.0 ¥26.80 ¥13,964
2018年10月26日 521.0 ¥19.93 ¥10,382
2019年4月26日 521.0 ¥18.70 ¥9,741
2019年10月26日 521.0 ¥18.96 ¥9,876
2020年4月26日 521.0 ¥15.36 ¥8,000
2020年10月26日 10,521.0 ¥13.20 ¥138,909
クーポン+元本 13,126.0 受取総額 ¥190,872

 

当初の投資金額30.62万円に対し、10月26日の円換算償還額(クーポン+元本)は13.89万円。クーポンを合算した償還金額は、投資金額の45.36%にすぎない。収益率は

マイナス54.64%という惨憺たる結果だ。

なお、償還金額と期中クーポンを合算した場合は19.08万円が受取金額となるがそれでも当初の投資金額を回収することは出来ない。

 

トルコリラ安は日本の個人投資家を苦しめている。

 

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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