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9月の転換社債の転換額は、今年最大の614億円だった。転換額が最も大きかった銘柄はソニー6回債の341.79億円で、9月分の55%を占めていた。9月の転換は公募債が9銘柄、第三者割当銘柄が2銘柄、合計11銘柄が株式に転換された。なお、転換額が50億円を上回っていた銘柄は、ソニー6回債の他に3銘柄が確認され、10億円以上は6銘柄だった。
額面10億円以上の転換が確認された6銘柄
- ソニー6回債<東証コード:900066758>の転換が341.79億円確認され、残額が613.38億円となった。転換には自己株式が用いられたため、新株は発行されなかった。転換に対応できる自己株式を保有しているため、今後も新株が発行される可能性は低い。9月は配当の権利確定月であるため、一気に転換が進んだようだ。 なお、コールが既に発生しているため、今後も転換が進みそうだ。
- 大王製紙2020年9月17日償還のユーロ円CBの転換は108.7億円確認され、残額16.6億円が償還された。転換期限(9月3日)の終値は1,484円と、行使価格1,441.2円を上回る水準だったものの全額転換には至らなかった。なお、この転換に伴い新株が754.2万株発行された。
- 岩谷産業2020年10月償還のユーロ円CBは71.2億円の転換が確認された。9月30日時点の残額は196.3億円だが、すでに全額が転換された旨が会社から発表された。
- SBIホールディングス2022年9月償還のユーロ円CBは残額54.3億円が全て転換された。この銘柄は7月16日にコールが行使され、それに伴い償還が9月14日、転換期限が9月9日にリセットされた。なお、この転換により新株が332.7万株発行された。
- DCMホールディングス1回債<東証コード:900013050>の転換は11.71億円観測され残額が13.62億円に減少した。この転換に伴い、新株が121.2万株発行された。
- テルモ2021年12月償還のユーロ円CBの転換は10.70億円進んだ。この転換により残額が13.1億円に減少した。このCBには130%転換制限条項が2021年9月7日まで設定されているものの、今回も条件を満たしたため予約権を行使することが出来る。転換には自己株式が用いられたため新株は発行されなかった。
公募債9銘柄の内、10億円以上の転換が確認された銘柄が6銘柄と大半を占めていた。
その他
9月28日に償還を迎えたバイタルケーエスケー・ホールディングスのユーロ円CBは転換が3億円確認され、残額97億円が償還した。
このCBは、全く転換が進まず全額が償還されてもおかしくない状況だった。
しかし、転換期限(9月14日)直前である9月10日以降の高値が転換価格1092.3円を上回った(図参照)。
転換はこの3日の間に進んだものと推測される。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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