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ヤオコー(東証コード:8279)の株価が上場来高値8,740円を付け、8,690円で引けた。
ヤオコーは2019年9月に転換制限条項付きユーロ円CBを150億円発行した。
転換を抑えるために株価がある一定水準まで上昇しないと転換することが出来ない。
具体的には四半期最後の20営業日の株価の終値が、転換価格の130%を超えた場合に転換権が発生し、翌四半期に限り転換することが出来る。
株価はCB起債以来上昇しているものの一度も転換制限条項を達成できていない。
つまり、9月までの四半期は転換社債であるものの転換することが出来ない。
しかし、今期は違う。株価の水準が転換制限条項の条件価格を充たす水準で推移している。
初の転換権が発生する可能性が高い。
<ヤオコー2024年6月20日償還130%転換制限条項付きCB>
・転換価格:6067.8円
・発行額:150億円
・残額 :150億円
・償還:2024年6月20日
・転換制限条項:2024年3月20日までは、四半期最後の最終20営業日の株価の終値が転換価格の130%を超えた場合(7889円以上)に限って翌四半期に新株予約権を行使することが出来る。
〇株価と転換制限条項の条件価格
図は株価の推移を示している。
7月9日以降の株価の終値が条件価格7889円を上回って推移している。
今期最後の20営業日は9月1日だ。つまり、9月1日から30日までの株価が7889円以上だった場合に10月から12月にかけて予約権を行使することができる。
このまま株価が順調に推移すれば初の転換権が発生する。
〇CB価格と理論価格の推移
図2はCB価格と理論価格、怪異率の推移を示している。
株価が転換制限条項の条件価格を上回った7月上旬からCB価格と理論価格が
急接近していることが図から読み取れる。
乖離率は既に0%近くまで縮小している。つまり、転換はいつ始まってもおかしくない状況だ。ただし、前四半期は転換制限条項の条件を充たすことが出来なかったため、7月から9月末までは株価がいくら上昇しても転換することが出来ない。
〇発行済株式数と潜在株式数
2020年3月期時点の発行済株式数は4001.3万株だ。一方、CB転換による潜在株式数は247.2万株に相当する。これは発行済株式数の6.18%に相当する。
なお、ヤオコーは自己株式を2021年3月期1Q時点で118.2万株保有しており、自己株式を転換に用いる場合、新株発行は128.9万株(発行済株数の3.22%)に抑えられる。
すでに乖離率がほぼ0%に縮小しているため9月に終わる四半期に転換権が発生した場合。翌四半期に転換が始まる可能性が高い。
まず9月1日の株価が条件価格の7889円以上を維持できているかどうかだ。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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