転換に拍車がかかる大王製紙のユーロ円CB


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大王製紙<東証コード:3880>が2015年9月に起債したユーロ円CBの転換期限が9月3日に迫っている。取引所のデータによると6月末の残額は225.3億円。発行額の大半がまだ流通している。CBは最終的に株価が行使価格(1441.2円)を上回っていれば株式に転換される。8月4日以降の終値はこの水準を上回っている。転換期限にむけて転換が一気に進みそうだ。

〇大王製紙2020年9月17日償還ユーロ円CBの詳細

・起債日:2015年9月1日

・償還日:2020年9月17日

・転換期限:2020年9月3日

・転換価格:1441.20円

・発行額:300億円

・残高:225.3億円

・発行価格:103%

・払込価格:100.5%

・当初プレミアム:0.98%

 

このCBは2015年9月に起債された。転換価格の設定水準が基準価格の0.98%と低水準だったため、起債後の株価が20%近く下落した。

この株価下落により、株式を23.6%保有している北越紀州製紙(現、北越コーポレーション)がCBの起債発行に抗議し、大王製紙の役員に対し、損害賠償問題に発展した経緯がある。

 

図はCB起債前後1カ月の株価推移

CBの起債発表前(9月1日)の終値は1429円だったがCB起債により株価が急落、2日の終値は1174円に下落した(下落率17.84%)。

 

〇乖離率の推移

新型コロナの影響で株価が下落したため、乖離率が3月中旬に7%を超えたもののその後、縮小に転じた。

転換期限が迫っているため乖離率は0%を挟んで推移している。

転換期限にむけて転換が進みそうだ。

CBの残額225.3億円は156.3万株に相当する。これは発行済株数の10.11%にあたる。

仮に、自己株式346.9万株を転換に用いた場合は発行済数の7.87%に抑えられる。

新株が発行されればEPSが希薄化される。転換は上値の重石となりそうだ。

 

〇CB起債後の大王製紙と北越コーポレーションの時価総額の推移

図は大王製紙と大王製紙の株式23.59%を保有している北越コーポレーションの株式時価総額の推移を示している。

 

 

CB起債時点での2銘柄の時価総額には大きな開きがなかった。しかし、北越コーポレーションの株価が下落したため、大王製紙との差が拡大した。

8月13日時点の時価総額は大王製紙の2,256億円に対し、北越コーポレーションが693.9億円。2社の差は1562億円だ。

北越コーポレーションが保有する大王製紙株の合計金額は532億円にのぼる。北越コーポレーションの時価総額に迫っている。CBの起債を巡り訴訟問題にまで発展したが皮肉なものだ。

 

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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