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企業物流大手のセンコーグループホールディングス<東証コード:9069(以後センコー)は2025年3月償還のユーロ円を220億円発行し、40億円の自社株買いを発表した。
株価は自社株買いを好感し、前日比24円上昇。
この結果、すでに取引されている2022年3月償還(ユーロ円CB)の乖離率が1.98%に低下した。
<同社2022年3月償還ユーロ円CBの基本情報>
発行日:2017年3月9日
転換期限:2022年3月14日
償還日:2022年3月28日
転換価格:930円
発行額(残額):100億円(100億円)
ソフトコール:コールは、2019年9月28日以降、株価の終値が20日連続して、転換価格の120%(1,116円)以上だった場合に発生する。
〇乖離率が3.12%から1.98%に縮小
同社が2025年3月償還のユーロ円CBを220億円発行した。資金の使途は、設備投資に180億円、自己株買いに40億円だ。
この自己株買いが好感され、株価の終値が24円(1,015円⇒1,039円)上昇した。
この株価上昇を受け、同社が既に発行している2022年3月償還のユーロ円CBの乖離率が縮小した。
このCBは株価が24円上昇すると、理論価格が2.5円(24円÷930円×100)上昇する。
しかし、CB価格の上昇は1.38円(前日112.55円⇒113.93円)だった。この結果、乖離率が1.98%(前日:3.12%)に縮小した。
なお、このCBには120%ソフトコールが設定されているため、この水準(1,116円)に達すると、コールが意識され転換が始まる可能性が高い。
同CBは全く転換が進んでいないため、残額100億円が株式に転換すると1,075万株に相当する。
しかし、同社が保有している自己株式は82.3万株に過ぎない。そのため、転換が始まると新株が発行されることになる。
仮に自己株式82.3万株を転換に用いた場合、発行済株数の6.5%に相当する新株992.8万株発行される。
一方、今回設定された40億円の自社株買いは最大470万株だ。
しかし、最大額の自社株買いが実施された場合でも530万株の新株が発行されることになる。
新株が発行されると一株当たり利益(EPS)の低下を招き、株価にネガティブな影響がでる可能性が高い。株価から目が離せない状況だ。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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