サイバー:時価総額で電通を逆転、CB転換進めば差がさらに拡大


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広告宣伝業大手サイバーエージェント<4751>の株価が堅調で、企業価値(時価総額)が同業の電通<4324>を上回った。

昨年末時点の時価総額は、サイバーエージェントが8988.9億円、電通が8839.7億円だった。

サイバーエージェントの時価総額の増加については、株価上昇に加えて今後予想されるCB転換が寄与する可能性がある。

 

〇乖離率が縮小傾向にあるサイバーのCB

サイバーエージェントは2023年2月償還と2025年2月償還のユーロ円CBを合計400億円発行している。

2銘ともすでに株価が転換価格を上回り、2019年12月末時点で70%台だったCB乖離率が昨年末には10%半ばまで低下した

(図1、図2参照)。

このままCB400億円の転換が進み新株が発行されると仮定すると、発行済株式数が628.6万株(発行済株式総数の5%)増加する。

12月末時点の株価を基準とすれば、時価総額が446.9億円増加する計算だ。

 

 

 

〇2020年の株価は電通-16.7%、サイバー+87.4%

サイバーエージェントと電通の株価を見ると、2019年末時点ではサイバーエージェントが3,794円、電通が3,678円と同水準だった。しかし、1年後の2020年末には電通が3,065円(前年末比16.7%安)まで下落したのに対して、サイバーエージェントはその2倍以上となる7,110円(同87.4%高)に上昇。その結果、サイバーエージェントの時価総額が電通を上回った。

ちなみに、電通の発行済株式数はサイバーエージェントより多いため、2019年12月末時点では電通の1.08兆円に対しサイバーエージェントは4823億円にとどまっていた。(図3参照)。

なお、サイバーエージェントが保有する自己株式は2020年9月末時点で29.7万株に過ぎず、CB転換の大半は新株発行により対応することになる。ただ、同社は株主を意識した経営方針をとっているため、市場には「CB転換により新株を発行する一方で自社株買いを実施する可能性がある」と指摘する向きがある。

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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