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ANAの社債利回りは4月下旬に日銀の追加緩和により、残存10年未満とそれ以上の年限で分断化された。
具体的には残存10年未満の利回りは低下したものの、10年を超す銘柄の利回りが上昇した。
〇4月27日の追加緩和以降残存10年未満の銘柄の利回りが低下、超長期債が上昇
4月27日に日銀が社債等買入(社オペ)の増額と、対象期間を3年以下から5年以下に延長したことを受け、ANAの社債利回りは短中期債を中心に利回りが低下した。
一方、超長期債の利回りが上昇し、結果的にイールドカーブのスティープニングが起きている(表と図参照)。
40回債と32回債を境に利回りが分断化されていることが分かる。29回債から40回債までの金利が低下、32回債以降が上昇している。40回債は残存8.91年、32回債は残存15.45年だ。
残存10年未満 | |||||
Date | 29回債 | 39回債 | 37回債 | 40回債 | |
4月27日 | 1.27% | 1.42% | 1.47% | 1.59% | |
12月29日 | 0.82% | 1.05% | 1.33% | 1.45% | |
変化幅 | -0.45% | -0.37% | -0.14% | -0.15% | |
超長期債 | |||||
Date | 32回債 | 34回債 | 35回債 | 38回債 | 41回債 |
変化幅 | 1.66% | 1.71% | 1.75% | 1.79% | 1.81% |
12月29日 | 1.71% | 1.77% | 1.83% | 1.88% | 1.96% |
変化幅 | 0.05% | 0.05% | 0.08% | 0.09% | 0.15% |
〇急拡大した39回債と41回債の金利差
29回債と39回債は社オペの対象銘柄のため、他の銘柄と比較し低下利回りの低下幅が大きい。
例えば12月の社オペから対象となった39回債と最長41回債との金利差が大きく拡大した(図2参照)。
現在の金融政策によって社債が分断化されている。短中期金利が抑えられているものの、
超長期金利が上昇しているため超長期債に割安感がある。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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