センコーグループHD株価が上昇、ソフトコール価格に迫る


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企業物流大手のセンコーグループホールディングス<東証コード:9069(以後センコー)の株価はユーロ円CB起債以来の高値を更新し、ソフトコールの設定価格1,116円に迫る勢いだ。なお、CBの償還は2022年3月28日、転換価格は930円に設定さえている。

〇ソフトコールまであと95円

株価の終値が1,021円と、CB起債以来の最高値で終えたことで、CBに設定されているソフトコール(転換価格の120%=1,116円)まであと95円に迫っている。

ソフトコールが設定されているCBの多くは、株価が設定価格まで上昇するとコールが意識されるため、CBのプレミアムが剥げ落ち、転換が意識されるようになる。

 

 

〇株価上昇とともに乖離率が縮小

株価上昇に伴いCBの理論価格が上昇する一方、CBの市場価格の動きが鈍いため、結果としてCB乖離率が縮小傾向にある(図2参照)。

昨日14日の市場では、株価は前日比2%弱上昇したものの、CBは1.5%弱の上昇率だった。乖離率は4.74%から4.21%に縮小した。

 

〇転換には新株が発行される可能性が高い

来るべき転換には新株が発行される可能性が高い。

CB発行額の100億円が全額株式に転換されると1,075万株に相当するが、同社は今年9月末時点での自己株式保有残は82.3万株と潜在株数を大きく下回る。

転換に自己株式が用いられたとしても、992.8万株相当の新株が発行されることになる。

EPS(一株当たり利益率)は新株の発行にともない6.5%弱減少するため、転換による株価への悪影響が懸念される。

 

コールは株価の終値が20日連続で1,116円以上の場合に発生する。株価の動向には注意したい。

 

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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