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新型コロナ禍に伴う働き方の見直しを背景に、企業がオフィスを縮小する動きが本格化しているようだ。
仲介大手の三鬼商事が発表した東京ビジネス地区の11月の空室面積は33.9万坪と10月の30.8万坪から約3万坪拡大した。
東京ビジネス地区空室率が前月の3.93%から4.33%に上昇しただけでなく、
平均賃料は前月の22,434円から211円下落し22,223円となった。
背景には、新型コロナによる働き方の見直しに伴う“オフィス縮小”の流れが続いているようだ。
〇オフィスREITに逆風
東証REIT指数と各セグメント指数(商業・物流等指数、オフィス指数、住宅指数、*ホテル指数)の推移を図1の通り昨年末を100として比較すると、オフィス指数だけが東証REIT指数を下回る状況だ。
*ホテル指数はホテル投資法人5社の平均値
オフィス指数はすでに東証REIT指数を6.9ポイント弱もアンダーパフォームしているにもかかわらず、
三鬼商事のレポートを受けて、もう一段の下落を警戒する声が高まっている。
〇ビジネス地区の空室率は東京、大阪ともに上昇中
東京と大阪のビジネス地区で空室率が上昇している(図2参照)。
11月の数字は東京が前月の3.93%から4.33%に、大阪が3.14%から3.33%に上昇した。
東京の空室率は2月から上昇が始まり、これで9ヵ月連続となった。
〇東京の平均賃料は3カ月連続の下落
平均賃料については、東京の11月の平均賃料が4ヵ月連続で下落した(図3参照)。
東京の平均賃料は前月比211円下落し22,223円、大阪が15円下落し11,913円だった。
〇既存ビルの空室面積が拡大中
新築ビルと既存ビルを比較すると、東京・大阪ともに既存ビルの空室面積が拡大した。
既存ビルの空室面積は東京・大阪ともに2020年3月以降拡大しており、
11月の空室面積は東京が331,838坪(10月:302,773坪)、大阪が72,233坪(10月:68,272坪)。
東京は昨年末の111,076坪が約3倍に拡大した(図4参照)。
このように、コロナ禍で一気に広がったテレワークにより、オフィスビルを縮小する企業相次いでいることを背景に、オフィスREITは厳しい投資環境に置かれている状況だ。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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