三菱マテリアル ユーロ円CB700億円発行、株価は下落


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三菱マテリアルがユーロ円CBを2銘柄(各350億円)発行しました。株式市場では、CB起債に伴う潜在株式の増加が嫌気され、株価が下落しました。この起債による資金の使用使途は成長投資です。

三菱マテリアルの負債利子率は5.5%程度、ROAが3.26%なので、利益よりも負債コストが高い状況です。一方、CBのクーポンは0%で支払い利息は発生しません。仮に5年の国内債で700億円の起債となるとクーポンは2.7%~3.0%程度になると思われるため、この起債は企業にとって正しい選択だと思います。

しかし、CB起債に伴う潜在株式数が約1349万株と発行済株数の10.26%に相当することから株価下落を導いています。これはCBが転換されるとEPSが10.26%小さくなるためです。

CBが起債されると、ヘッジファドが買付、その後、販売先に社債部分のみを売却。CBが社債とワラントに分離されます。ヘッジファンドはワラントが欲しいので、このワラントを使い株の売買(デルタ)をするためです。一方、証券会社が買い戻した社債は、リパッケージ債として最終投資家に販売されます。この債券はワラントとリンクしているので株価に転換されると債券は償還します。この債券は同社の同年限社債よりも利率が高く設計されるためもより高い利率を求めている最終投資家が購入します。

 

CBについて見ていきましょう。この2銘柄の特徴は転換制限条項が設定されていること。

転換制限条項とは一定の条件が満たせない限り株に転換できないとういう条項です。

・CB2030年7月債:2029年6月末まで、4半期最後の20営業日の株価の終値が、行使価格の150%を超えた場合、それ以降は130%を超えた場合に、翌4半期に限り株式に転換することができる。ただし、2030年4月から転換期限7月10日までは株価の水準に関係無く転換可能。

2030年債の転換価格が5275円なので、この150%は7912.5円、130%が6857.5円に相当します。つまり、2029年6月までは株価が7912.5円以上、それ以降は6967.5円以上でないと転換ができません(2030年4月以降を除く)

 

・2032年債も期間設定がことなるものの、ほぼ同様なので省略します。

 

三菱マテリアルは調達したゼロコストの資金を使い収益をあげ、株価を引き上げられるかがポイント。

 

CBが起債されると上値が重くなるので、しばらく株価は低迷しそうです。

 

 

・米国:ポイントは14日のCPI、15日のPPI

米国では来週から企業決算発表が始まります。加えて、来週は6月のCPIとPPIも控えています。予想はCPIが3.8%、PPIはコアが5.2%。5月のCPIが4.2%でした、6月は下回る水準が予想されていますが政策金利より高い水準です。高い値が公表されると株価水準が高いため、急落する可能性があります。要注意。

また、企業決算が来週から始まります。

 

・キャタピラーコマツレシオ:11.90倍

キャタピラーの株価が正念場を迎えています。キャタピラーの予想PERが39倍と同業他社より割高(サンドビック24倍、コマツ15.9倍)です。データセンター向け発電機の販売増加で株価が買われてきました。AI関連としてのバブルが崩壊するかどうか。決算は8月4日です。

 

 

・日本:NT倍率が16.98倍に縮小

日経平均が前週比1.7%下落、TOPIXは0.7%下落だったのでNT倍率が縮小。

TOPIX構成銘柄のPBR1倍割れ銘柄数は568銘柄と前週比7銘柄減です。

引き続き、一部の半導体関連銘柄に資金が集まっている状況は変わっていません。

半導体関連銘柄も企業決算前で上値追いの展開は期待できません。市場では特に

7月29日に発表されるキオクシアの決算に注目しています。大きすぎる期待に応えれるかどうか。

・インド:外国人投資家は買い越し

インドの大型株の上値は重いもののIPO市場では、初値が公募価格を90%上回る銘柄も観測されています。Teja Engineering Industriesの初値は公募価格(220ルピー)を90%上回る418ルピー、その後も株価は上昇し週末の終値は上場来高値499.4ルピーです。

データ:Bloomberg

国際公認投資アナリスト(CIIA)

証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)

AFP

藤井理

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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