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エイチ・アイ・エス(東証コード:9603)の社債が暴落し、残存0.96年2回債の利回りは17%台を付けた。背景には格付け会社のJCR(日本格付研究所)がエイチ・アイ・エスの格付けをBBB+*-からBBB-*-に引き下げてことが要因だ。ワンノッチ格付けが引き下げられると投資適格債からジャンク債の仲間入りだ。
〇社債暴落
同社は国内債を3銘柄とユーロ円CB1銘柄の4銘柄を発行しているが、国内債3銘柄が7円以上、ユーロ円CBが4円下落(表参照)、下落率も異常の高さだ。
2回債(2021年10月) | 3回債(2024年2月) | 2024年11月償還CB | 4回債(2027年2月) | |
11月2日 | ¥93.86 | ¥80.55 | ¥83.61 | ¥68.14 |
11月4日 | ¥86.16 | ¥72.43 | ¥79.60 | ¥59.87 |
変化 | ¥-7.70 | ¥-8.12 | ¥-4.02 | ¥-8.27 |
下落率 | -8.20% | -10.08% | -4.80% | -12.14% |
〇格下げ、あとワンノッチの引き下げでジャンクの仲間入り
JCRが10月29日に同社の格付けをBBB+(*-)からBBB-(*-)に2ノッチ引き下げた。
社債市場はBBB格以上の投資適格債とBB以下のジャンク債に市場が分断化されており、
投資家層は投資適格債に厚みがある。機関投資家の中には、社内規定で投資対象をBBB以上と決めている金融機関も存在している。今回の社債の下落は、社内規定により持ち切れなくなった投資家の“投げ売り”の可能性がある。
同社の格付けは新型コロナ影響で2020年3月5日まではA-だったが6日にBBB+に引き下げられ、6月22日に格付けの見通しがネガティブに引き下げられ今回に至る(表参照)。
次回格付けが引き下げられればジャンク債の仲間入りだ。
JCR | ||
格付け | ウォッチ | 有効日 |
BBB- | *- | 10/29/2020 |
BBB+ | *- | 06/22/2020 |
BBB+ | 03/06/2020 | |
A- | 01/31/2019 | |
A- | 10/24/2016 | |
A- | 12/01/2015 | |
A- | 10/17/2014 |
〇社債利回りは最高値を更新
国内債3銘柄の利回りはいずれも10%台と最高水準を更新した(表参照)。
国内債のイールドカーブは2日までは順イールドだったが、現在では残存期間の短い銘柄ほど利回りが高くなる逆イールドを形成した。逆イールドは信用リスクの高まりを
2回債 | 3回債 | 4回債 | 2024年償還CB | |
11月2日 | 7.49% | 7.88% | 8.29% | 4.55% |
11月4日 | 17.50% | 12.18% | 11.63% | 5.83% |
変化 | 10.01% | 4.30% | 3.35% | 1.29% |
利回りはこの水準で止まるのか、それとももう一段上昇するか注目される。
*価格ソース:JSP
国内債の投資金額は最低額面1億円、ユーロ円CBは1000万円です。
社債の価格が80円の場合の受渡金額は8000万円+経過利息となります。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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