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米国のイールド・カーブが立ってきた。30年と7年債、
10年と7年債のスプレッド水準は2016年11月以来の水準だ。
長期、超長期債を中心に米国債利回りが上昇に転じた。
なお、米国債と相関の強い英国やカナダ国債の利回りも上昇している。
一方、米国債と日本国債の相関は低く米国債上昇にともなう日本国債への影響は小さいと思われる。
〇米国債のイールドカーブ
図は米国債の前週と昨日のイールドカーブだ。7年債以上の長期、超長期債の利回りが10bp以上上昇し、
カーブがスティープニングしたことがわかる。
今年の最低利回りは7年債が0.356%、10年は0.506%、30年債は0.995%だ。
昨日10月5日時点の水準は7年債が0.559%、10年債が0.781%、30年債が1.58%だった。
いずれの年限も6月中旬以来の水準だ。
今年の最低水準から7年債が0.19%、10年債が0.27%、30年債が0.59%上昇した。
〇30年債、10年債と7年債の金利差
図は10年債と7年債、30年債と7年債の金利スプレッドを示している。
5日時点のスプレッドは10年7年が0.23%、30年7年が1.04%と、いずれも今年の最大値だ。
なお、この水準は前回利上げが実施される前の2016年11月以来だ。
当時のFFレートは0.5%だったが12月に0.75%に引き上げられた。
〇他の国への影響
米国債と相関の強い国債は英国債、カナダ国債が挙げられる。
10年、30年とも相関係数は0.8を超える水準だ(過去1年)。
昨日の英国債利回りは19年債が4bp、30年債が5bp、カナダ国債の10年債が5.5bp、30年債は6.5bp上昇した。
図は昨年末からの米国、英国、カナダの30年債利回り(昨年末=100%)だ。
金利水準はいずれの国も昨年末比65%程度と同水準だ。
現時点の米国債と日本国債の相関は低く、米国金利上昇に伴う日本国債への影響は小さいと予想される。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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