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仲介大手の三鬼商事が昨日発表した8月東京ビジネス地区の平均賃料は22,822円と先月の23,014円から192円下落した。
東京ビジネス地区の平均賃料が前月比マイナスとなったのは2013年2月以来(-12円)のこと。
東証REIT指数のオフィス指数の年初来リターンは9月10日時点で-28%と商業・物流等指数の-13.6%、
住宅指数の-12.5%を大きく下回っている。
オフィス賃貸料金の低下、及び空室率の上昇を受け、オフィスREITの一段の下落が予想される。
〇東京と大阪のビジネス地区の平均賃貸料と空室率の推移
図の上段は東京と大阪のビジネス地区の平均賃貸料の推移を示している。
東京ビジネス地区の平均賃料は2013年12月の16,207円を底に2020年7月(23,014円)まで上昇した。
しかし、新型コロナによるオフィス縮小の影響を受け8月は22,822円と前月比マイナスに転じた。
図の下段は東京と大阪のビジネス地区の空室率の推移を示している。
東京ビジネス地区の空室率は2012年6月の9.43%から順調に低下し2020年2月に1.49%を付けた。
その後、上昇に転じ7月に2018年10月以来の2%台に乗せ、8月には3.07%に上昇した。
空室率の3%台は2018年2月以来だ。
8月の大阪の空室率は7月の2.71%から2.78%に上昇した。
〇東京と大阪のビジネス地区の平均賃貸料と空室率の差の推移
8月に東京地区の平均賃料が下落したため、東京と大阪のビジネス地区の賃料の差が7月の11,026円から10,816円に210円縮小した。
図の上段が東京と大阪のビジネス地区の平均賃料の価格差の推移だ。
東京と大阪のビジネス地区の空室率は先月7月に東京が大阪を上回った。これは1994年12月末以来の出来事だ。
7月の空室率は東京地区が2.77%で大阪が2.71%で差が0.06%、8月は東京が3.07%、大阪が2.78%で差が0.29%に広がった。
図の下段が東京と大阪のビジネス地区の空室率の差の推移だ。
〇東証REIT指数と東証オフィス指数
図は東証ERIT指数と商業・物流等指数、住宅指数、オフィス指数、*ホテル指数の
水だ。10日時点の年初来の水準は東証REIT指数が79.6%、商業・物流等指数が86.4%、
オフィス指数が72%、住宅指数が87.5%、ホテル指数が78.4だ。
オフィス指数のパフォーマンスが-28%と最低だ。
今回の三鬼商事の東京ビジネス地区平均賃料が低下したことでオフィスREITの売り材料となりそうだ。
*ホテル指数はホテルリート5銘柄の平均
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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