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ハイイールドETF<HYG>が起債以来の高値を更新する一方、投資適格ETF<LQD>
の上値が重い。この背景にはイールドカーブのスティープニングが影響しているようだ。
〇運命を分けた指数構成銘柄
ハイイールドETFと投資適格ETFの構成銘柄を調べると大きな隔たりがあることが分かる。
それは構成銘柄の中心年数がハイイールドETFの3~7年に対し、投資適格は超長期債(10超)が中心だ(表参照)。
投資適格ETFは、1,056銘柄(構成銘柄の45.04%)相当の超長期債が組み入れられた銘柄だ。
このことから投資適格ETFの価格は、超長期債の影響を受けやすいと言える。
現在、米国債市場では長期・超長期債の利回りが上昇し、イールドカーブが立ち始めている(図1参照)。
米国債の30年債と5年債の金利差は年初比10bp拡大した。これは投資適格ETFの価格押し下げ要因となる。
1-3年 | 3-5年 | 5-7年 | 7-10年 | 10年超 | 銘柄数 | |
投資適格ETF | 0.08% | 16.65% | 17% | 19.20% | 45.04% | 2,345 |
ハイイールドETF | 10.58% | 28.61% | 32.55% | 23.56% | 3.91% | 1,276 |
推定銘柄数 | 1-3年 | 3-5年 | 5-7年 | 7-10年 | 10年超 | 銘柄数 |
投資適格ETF | 2 | 390 | 399 | 450 | 1,056 | 2,345 |
ハイイールドETF | 135 | 365 | 415 | 301 | 50 | 1,276 |
〇2020年の騰落率は投資適格ETFが10.9%、ハイイールドETFが4.4%
2020年の各ETFの騰落率は投資適格ETFが10.9%とハイイールドETFの4.4%を2倍以上上回った。
しかし、2021年1月から現在(1月20日)までの成績は投資適格ETFがマイナス1.3%、ハイイールドETFはプラス0.25%だ。
ハイイールドETFはローンチ以来の高値を更新した。投資適格ETFからハイイールドETFに資金がシフトしているようだ。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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