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寮やホテル事業を営んでいる共立メンテナス(東証コード:9619)が2026年1月償還のユーロ円CBを300億円発行したことに伴い、株価の下落は必至だ。
〇潜在株式数が発行済株式数の16%に相当する
CB300億円が株式に転換されると、発行済株式数の16.23%(636.5万株)に相当する。
これはEPSを16.23%希薄化するため、株価にとってマイナス材料となる。
資金調達が生産性を伴う設備投資等なら企業成長が期待できるが
300億円の資金使途は
①国内CB4回債の償還金が200億円、
②銀行の返済金の一部に100億円と、資金の借り換え目的と後ろ向きだ。これは、株価にネガティブだ。
〇CB起債で1.5億円の社債発行差益
一方、このCBの起債で同社には1.5億円の社債発行差金が計上される。
CBの募集価格が額面100円に対し、103円、払込みが100.50円だ。この起債により同社には301.5億円が払い込まれる。
つまり、償還金額300億円との差額1.5億円が社債発行差益となる。資金調達コストはマイナスとなった格好だ。
仮に、一般事業債を起債した場合の調達コストは同社の格付け(JCR BBBネガティブ)を考慮すると最低0.546%(日本証券業協会のJCR BBB5年)以上となろう。
業態や格付け、起債額を考慮すると、大幅に上回る可能性が高い。
CB起債による調達は同社にとって良い選択だったと思われる。
〇転換がまったく進まないCB4回債
ユーロ円CB発行の主因は全く転換が進まなかった国内CB4回債の償還だ。
4回債は、2016年3月に200億円が発行された。
起債以降株価は低迷し、株価が転換価格を上回ったのは2018年6月の数日間だけだった(図1参照)。
転換は2018年7月に100万円、2018年8月に400万円、2020年3月に300万円、2020年7月に500万円、合計1,300万円が確認された。
不思議な話だが多く場合、株価が転換価格を下回っているときに進んだ。
償還金額は200億円から転換額の合計を差し引いた199.87億円だ
今回のユーロ円CB起債に、4回債を保有している投資家は償還の目処が立ち一安心。一方、株式投資家は突然のCB起債は寝耳に水。株価下落が必死だからだ。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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