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仲介大手の三鬼商事は東京ビジネス地区の直近動向を発表し、
12月の東京ビジネス地区の平均賃料は21,999円と先月の22,223円から224円下落したことを明らかにした。
賃料の下落は2020年8月に始まり12月の下落で5カ月連続となった。特に新築ビル賃料が1,778円と、
先月の32,303円から1.625%(525円)下落し、下落率が既存ビル賃料のマイナス1.005%(221円)を下回った。
〇オフィスREITに逆風
東証REIT指数と各セグメント指数(商業・物流等指数、オフィス指数、住宅指数、*ホテル指数)を比較すると、
オフィス指数だけが東証REIT指数を下回る状況だ(図1:2019年末を100として算出)。
*ホテル指数はホテル投資法人5社の平均値
オフィス指数はすでに東証REIT指数を7.5ポイントもアンダーパフォームしているにもかかわらず、
三鬼商事のレポートを受けて、もう一段の下落を警戒する声が高まっている。
〇ビジネス地区の空室率は東京、大阪ともに上昇中
東京・大阪ビジネス地区の空室率が、2020年2月を底に上昇に転じた(図2参照)。
12月の数字は東京が前月の4.33%から4.49%に、大阪が3.33%から3.44%に上昇した。
東京の空室率が10カ月連続上昇となった。
〇平均賃料は大阪が上昇、東京が下落と西高東低
平均賃料は、東京のビジネス地区の平均賃料が5ヵ月連続で下落する一方、大阪のビジネス地区では前日比12円上昇し、1,1925円だった(図3参照)。
〇既存ビルの空室面積が拡大中
新築ビルと既存ビルを比較すると、東京・大阪ともに既存ビルの空室面積が拡大した。
既存ビルの空室面積は東京・大阪ともに2020年3月以降拡大しており、
12月の空室面積は東京が343,563坪(11月:331,838坪)、大阪が74,688坪(10月:72,233坪)だった。
東京のこの値は、新型コロナが騒がれ始めた2020年2月の106,029坪から約3.2倍に拡大した(図4参照)。
空室面積拡大は、コロナ禍で一気に広がったテレワークによりオフィスビルを縮小する企業相次いでいることを背景に、
オフィスREITは厳しい投資環境に置かれている状況だ
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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