オフィスREITに逆風


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オフィスREITに逆風が吹いている。仲介大手の三鬼商事が発表した9月東京ビジネス地区の空室率が前月の3.07%から3.43%に上昇した。

一方、平均賃料は前月の22,822円から89円下がり22,733円だった。

新型コロナによる働き方の見直しに伴う“オフィス縮小”の流れは続いているようだ。

 

〇オフィスREITに逆風

図1は昨年末を100とした場合の東証REIT指数と各セグメント指数(商業・物流等指数、オフィス指数、住宅指数)の推移だ。

東証REIT指数を下回っている指数はオフィス指数のみ。

オフィス指数は8ポイント強東証REIT指数をアンダーパフォームしているが、

仲介大手の三鬼商事が発表した9月のオフィスレポートの内容から、もう一段下落する可能性が高まった。

 

〇ビジネス地区の空室率は東京、大阪ともに上昇中

図は東京と大阪のビジネス地区の空室率と賃料の推移だ。

9月の数字は東京が前月の3.04%から3.43%に、大阪が2.78%から2.96%に上昇した。

一方、9月の平均賃料は東京、大阪ともに下落。東京は前月比89円下落し22,733円、大阪が62円安の11,944円だった。

新型コロナ拡大前の東京ビジネス地区の平均賃貸はリーマンショック直後の2008年8月に22,901円だった。

今年の7月のこの水準を上回る23,014円を付け、その後下落に転じた。

 

〇既存ビルの空室面積拡大中

 

 

図は既存ビルと新築ビルの空室面積の推移だ。

新築ビルの空室率は低位で推移しているものの、既存ビルの空室面積は3月の109,165坪から9月には2.4倍の262,489坪に以降急激に拡大した。

コロナ禍で一気に広がったテレワーク。オフィスビルの面積を縮小する企業が

相次いでいる。オフィスビルの需要が縮小するなかオフィスREITへ逆風が吹き荒れている。

 

 

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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