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精密部品の製造販売を行うスター精密<東証コード:7718>の転換制限条項付きユーロ円CB(2021年6月)が3月16日に転換制限条項から解放された。
これを受け、転換がすすむ可能性が高まっている。
それは、転換期限(6月2日)に迫っているため、株価が転換価格(1,665円)を上回れば(昨日1,721円)転換が始まる可能性が高いからだ。
<転換制限条項付き同ユーロ円CBの基本情報>
発行日:2016年6月16日
転換期限:2021年6月2日
償還日:2021年6月16日
転換価格:1,665円
発行額(残額):80億円(80億円)
転換制限条項:
翌四半期に行使できる予約権発生の条件
(a) 2017年5月31日まで 四半期最後の20取引日の株価の終値が、転換価格の150%超の場合
(b) 2021年3月15日まで 四半期最後の20取引日の株価の終値が、転換価格の130%超の場合
(c) 2021年3月16日以降 いつでも予約権を行使することが出来る
起債後1度も転換制限条項を充たしていない
同CBの転換制限条項(上記表参照)が2021年3月15日まで設定されていたが、CB起債以来一度も転換制限条項の条件を充たすことができなかった。
つまり、一度も予約権を行使する機会がなかった。
しかし、2021年3月16日以降、6月2日(転換期限)まではいつでも転換することができる。
なお、転換期限が迫っているため株価が上昇してもかい離率の拡大が期待できない。
つまり、株価が転換価格を上回ると転換が始まる可能性が高いと言えそうだ。
株価は既に転換価格を上回っているため(図参照)いつ転換が始まってもおかしくない状況だ。
同CB80億円が株式に転換すると約480万株に相当するものの、転換の備えはできている。同社は既に転換株数を上回る自己株式(約980.2万株)を保有しているためだ。
今後、株価は転換売りにより上値が抑えられる可能性が高い。
しかし、転換が進むにつれ自己資本が厚くなるため、クレジットや株価にとってプラス材料となる。
投稿者プロフィール
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大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)
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