修正がはじまったソフトバンクの外貨建て債


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ソフトバンク<東証コード:9984>の外国通貨建て債券が買われた。外国通貨建て債は円建て債と比較し割安感があり、円ヘッジ後の利回りは国内債(円建て)を大きく上回っていた。しかし、このところの外貨建て債の価格上昇にともない投資妙味が減りつつある。

〇ソフトバンクの外国通貨建て債券

ソフトバンクは永久劣後債2銘柄を含むドル債を9銘柄とユーロ建て債を8銘柄発行している。表1が各銘柄の価格と利回りを示している。どの銘柄についても前日比、大きく上昇した。特にユーロ建て債の中には前日比2pt以上上昇した銘柄も確認された。

ドル建て
クーポン 償還日 価格 前日比 利回り
5.375% 2022/07/30 105.136 0.317 2.284%
5.500% 2023/04/20 106.989 0.621 2.511%
4.750% 2024/09/19 105.075 0.789 3.333%
6.125% 2025/04/20 110.134 1.133 3.625%
6.000% 2025/07/30 108.572 0.734 3.984%
5.125% 2027/09/19 104.765 1.422 4.314%
6.250% 2028/04/15 111.688 1.514 4.386%
6.000% 永久劣後CALLL2023年7月 98.173 0.793 4.841%
6.875% 永久劣後CALL2027年7月 99.725 0.94 5.756%
ユーロ建て
4.000% 2022/07/30 105.085 0.507 0.982%
4.000% 2023/04/20 105.111 1.103 1.836%
4.500% 2025/04/20 106.656 1.017 2.887%
4.750% 2025/07/30 108.278 1.2 2.857%
3.125% 2025/09/19 102.734 2.002 2.522%
5.250% 2027/07/30 111.163 2.264 3.376%
5.000% 2028/04/15 111.663 2.038 3.219%
4.000% 2029/09/19 106.282 1.509 3.180%

 

〇国内債(円建て債)との比較

ソフトバンクは2023年4月20日償還を迎えるドル債とユー債、円債を発行している。図が3銘柄の利回りの推移を示している。3月中旬にドル債とユーロ債の利回りが10%台まで上昇したため円債と利回りが拡大した。その後、利回りが低下し、昨日12日時点の利回りはドル債が2.52%、ユーロ建て債が1.84%、円債が1.88%だ。ユーロ債が円債の利回りを下回った。

なお、ドル債とユーロ債に円ヘッジをつけた場合の利回りはドル債が1.96%、ユーロ債が2.12%と試算された。

円債と円SWAP後の利回りを比較するとドル債が利回りで0.08%、ユーロ債が0.24%高い結果となった。ユーロ債のがどこまで円債の水準に近づくかが注目される。

 

 

〇2025年償還債

ソフトバンクの6%2025年7月30日償還のドル債、4.75%2025年7月30日償還のユーロ債、1.64%2025年4月25日償還の円債(55回債)ついても2023年4月20日償還債と同様の比較を試みた。

昨日の利回りはドル債が3.984%、ユーロ債が2.857%、円債が2.135%だった。円ヘッジ後の利回りはドル債が3.26%、ユーロ債が3.14%と試算された。

これら水準は円債の2.135%と比較し、1%以上割安なレベルだ。まだ2025年債には投資妙味がありそうだ。

投稿者プロフィール

タダシ
大学時代から株式投資をはじめ、証券会社のトレーダーとなる。以後、30年
金融畑一筋。専門分野は債券、クレジット。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)

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